●新しく入荷した本の一部を紹介します。
■山と獣 焼畑と祭りにみる山村の民族誌
須藤 功・著
農文協
2500円+税
経済成長最優先だったあの頃、焼畑で生計を立て、祭りに願いを託した人びとの「ふつうの暮らし」があった。
日本観光文化研究所(所長・宮本常一)に所属し、全国の村で「あるくみるきく」をつづけてきた民俗写真家によるエッセイ。
■在日コリアンを知るQ&A
多文化共生への55のヒント
郭 辰雄、川瀬俊治・著
解放出版社
2200円+税
今一度基本的知識と理解を。
■なぜ社会は変わるのか
はじめての社会運動論
富永京子・著
講談社現代新書
1000円+税
私たちの社会は確かに「変わって」いて、それは私たちが「変えた」。でもそれに気づいていないのではないだろうか。
■乗ってるだけじゃわからない鉄道の大疑問
青春出版社
980円+税
いろんな鉄道に関する話題・疑問にお答えします。
(当店店主も一応「乗り鉄」の端くれです。)
■熊になったわたし
人類学者、シベリアで世界の狭間に生きる
ナスターシャ・マルタン著
紀伊国屋書店
2000円+税
私の顔は変わりはてている。
……それは私が熊の世界に行き、そこから戻ってきたことを示していた。
「熊は君を殺したかったわけじゃない。印をつけたかったんだよ。」
■関東大震災 虐殺の謎を解く
なぜ発生し忘却されたのか
渡辺延志・著
筑摩選書
1900円+税
関東大震災で多くの朝鮮人が殺されたのはなぜ。荒唐無稽な流言に人々が脅えたのはなぜ。関東大震災研究の集大成。
■行先は未定です
谷川俊太郎・著
朝日新聞出版
1800円+税
亡くなる2週間前まで、谷川さんは語ってくれた。ぽつりとおかしく、ぽつりと鋭く、谷川さんが置いていった言葉たち。
■NG記者だから見えるもの
鈴木エイト・著
講談社+α新書
1000円+税
これまでやってきた取材、執筆などの中で感じたことや印象に残っているエピソードを入り口に、著者が思うジャーナリズムの本質や方法論を記す。
■シン・アナキズム
世直し思想家列伝
重田園江・著
NHKブックス
2200円+税
「アナキズム=無秩序、破壊、テロ」というイメージはもう古い。ジェイン・ジェイコブズ、ヴァンダナ・シヴァ、森政稔、カール・ポランニー、ディヴィッド・グレーバーの生き方と思想を追う。
■到来する女たち
石牟礼道子・中村きい子・森崎和江の思想文学
渡邊英理・著
書肆侃侃房
九州ゆかりの三人の女性。「『サークル村』を通して、彼女たちが手に入れたのは、儚い「わたし」(たち)の小さな「声」を顕すための言葉であったにちがいない。」
■冒険者たちの心理
彼らはなぜ命を賭けるのか
菊地敏之・著
ヤマケイ新書
1300円+税
「本物の冒険とは何か」。
身近に死を意識しながらの単独登攀や荒れ狂う南氷洋の航海、人跡未踏の渓谷の初踏査などに挑んだ「冒険者」たちにインタビュー。
■大田昌秀━沖縄の苦悶を体現した学者政治家
野添文彬・著
中公新書
980円+税
日米両国と格闘し続けた90年。沖縄現代史とともに歩んだ生涯を綴る。
■ふらっとアフリカ
藤原章生・著
毎日新聞出版
1500円+税
「やりたいことってなんだ。私はこの先、何をしたいのだろう。一つはっきりしていたのは、アフリカを再び訪ねることだった。」
■生命の起源を問う
地球生命の始まり
関根康人・著
講談社ブルーバックス
1100円+税
エンセラダス(土星衛星)など、太陽系他天体の最新研究から、原初の地球での生命誕生の条件をさぐる。
■賽の河原━供養の宗教学
村上 晶・著
ちくま新書
920円+税
なぜ、地獄で石を摘むのか?
死者の口寄せで知られる津軽地方の「シャーマン」たちの調査をしてきた著者による、賽の河原を中心とした日本の供養を考える書。
■となりの史学
戦前の日本と世界
加藤陽子・著
モリナガ・ヨウ・絵
毎日新聞出版
2000円+税
日本近代史から世界史の面白さを堪能する。